影響力が拡大しているYouTube。
俗に言う「YouTuber」達が制作しているエンタメ系の動画だけではなく、ファッションや美容、料理などといった有益な情報を発信する動画や、企業やお店が自身のサービス・商品を宣伝する動画など、そこに公開されるコンテンツは多岐にわたります。
特に近年ではビジネス利用のチャンネルの増加が顕著になり、
YouTubeチャンネルを自社メディアとして、顧客のファン化を狙ったハイクオリティな動画を公開する等、マーケティング手法の一つとしてYouTubeが利用されるケースが多く見られるようになりました。
そんな時代の中で、これまでYouTubeや動画に一切関わりがなかった方でも業務としてYouTubeを扱う機会が増えていくことが予測できます。
まだ仕事でYouTubeに触れる事はありません!という方でもYouTubeの利用が今抱えている問題を解決する一つの糸口になる可能性は大いにあると思います。
今回は...
もし!「YouTubeチャンネルの立ち上げが命じられ、チャンネルのコンセプトや動画の内容を決めなくてはならなくなった」
そんな時に
「どうしたらいいのか何も分かりません...」
なんて事の無いように、YouTubeチャンネルのコンセプト設定から制作する動画の企画方法を具体的に解説させて頂きます!
備えあれば患いなし、です!笑
本記事では「家電メーカーが新型電子レンジを販促するチャンネルを立ち上げる」という状況を想定して解説を進めて行きます。
異業種でイメージが付かない、かもしれませんがYouTubeチャンネルを立ち上げるにあたっての基本的な考え方はどんな業種やテーマでも同じなのでご安心ください。
一緒に考えていきましょう!
絶対やるべき。競合調査をしてコンテンツの大枠を考えよう!
電子レンジを販促するならどんな動画が効果的だろう...
・とにかく電子レンジの良さを熱弁する動画?
・新機能をアニメーションを使って表現する動画?
想像してみるといくつかアイデアが思い浮かぶと思いますが、選択肢が多すぎて具体的にイメージするのが難しいですね。
そんな時は素直にYouTube上で他のクリエイターや企業がどんな動画を公開しているのか調査してみましょう!
そうすることでアイディアがより具体的になったり、”YouTubeらしい動画”を制作するための参考になります。
まずはYouTubeで調査!
それでは調査開始!
ひとまずYouTubeの検索窓に「電子レンジ」と入力して検索してみましょう。
ここで一つテクニックを紹介します。
とても簡単なことなのですが、検索窓の下にある「フィルタ」をクリックしてみてください。
こちらは検索結果に対してソート条件を指定できる機能で、今回は「アップロード日を”今年”」かつ「並べ替えを”視聴回数”」にします。
こうすることで検索結果を、「今年公開された動画を視聴回数が多い順」で表示できます。
エンタメ系からVtuberの動画まで、電子レンジを検索しただけでもたくさんの種類の動画が出てきます。電子レンジが主題になっているというよりも、電子レンジをネタの中で使っている動画が散見されますね。
今回はあくまで電子レンジの販促を目的としたチャンネル、及び動画を制作する必要があるので電子レンジをネタの一部として扱っている動画ではなく電子レンジが主題になっている動画を探していきます。
そういった観点で、エンタメ系を覗いてみると「レシピ動画」が目立ちますね!
電子レンジの良さを伝えるのであれば、その機能を存分に活かしたレシピ動画は販促に大きな効果が期待できます。
それでは一旦、アイデアの中に「電子レンジを使ったレシピ動画」を加えておきましょう。
・とにかく電子レンジの良さを熱弁する動画
・新機能をアニメーションを使って表現する動画
・電子レンジを使ったレシピ動画←NEW
他媒体での競合調査
続いて、YouTube以外にも目を向けて調査してみましょう。
今回はレシピ系のコンテンツが多く投稿されているInstagramにて調査を行います。
YouTube以外の媒体での調査を行うことで、別角度からアイデアを手に入れることができたり、他の媒体との連携も視野に入れて企画を進められるようになります。
また、既にイメージしているコンテンツが需要のある内容になっているかの再確認もすることが可能です。
手順はYouTubeと同様にいたって単純です。
まずは「#電子レンジ」で検索をしてどんなコンテンツが投稿されているか確認しましょう。
そうするとYouTube以上にレシピ系の投稿が多いことが分かりますね!
YouTubeに比べて、お掃除系のコンテンツも多いように感じます。
また、”電子レンジ”から始まる人気ハッシュタグを見ても、お料理系、次点としてお掃除系があがってきます。
電子レンジのお手入れというのは意外と需要のあるコンテンツのようです!
これもアイデアに加えてみましょう。
・とにかく電子レンジの良さを熱弁する動画
・新機能をアニメーションを使って表現する動画
・電子レンジを使ったレシピ動画
・電子レンジのお手入れや掃除動画←NEW
重要なのは「伝えたいこと」と「視聴者が求めていること」を分けて考えること
競合調査を行った結果、新しいアイデアを2つ手に入れることができました!
この中からチャンネルに公開されていくコンテンツの大筋を決定したいところですが、ここが今回の記事で一番重要な部分になります。
Aチーム
・とにかく電子レンジの良さを熱弁する動画
・新機能をアニメーションを使って表現する動画
Bチーム
・電子レンジを使ったレシピ動画
・電子レンジのお手入れや掃除動画
まずは候補に挙がっていた4つのアイディアをAとB、2つのチームに分けました。
Aが最初にふわっと考えたアイディア、Bが実際に公開されているコンテンツを見て考えたアイディアです。
なんとなく字面だけで分かるかと思いますが、この2つのチームの大きな違いは、
「そのコンテンツに”視聴者が求めていること”が含まれているかどうか」
です!
例えばAチームの動画を具体的にイメージしてみると...
アイデア:とにかく電子レンジの良さを熱弁する動画
タイトル:○○株式会社 新製品「○○電子レンジ」の大きな特徴を紹介
サムネイル:電子レンジの写真とその名前、型番
動画内容:社員Aが実際の電子レンジを見せながら特徴を紹介していく。最後に購入を促すセリフ。
続いてBチームの動画を具体的にイメージしてみると...
タイトル:電子レンジで簡単!○○のレシピ5選
サムネイル:美味しそうな料理と電子レンジが並んだ写真
動画内容:販促をしたい電子レンジを使ってレシピを紹介する。一般的な電子レンジでも再現可能なレシピと、新型電子レンジの機能を使わないと再現不能なレシピを織り交ぜて紹介する。最後に購入を促すセリフ。
というような動画になりそうですよね。
Aチームの動画はチャンネル運営側が「伝えたいこと」のみで構成されているのに対して、Bチームの動画は「伝えたいこと」に加えて「視聴者が求めていること」も含まれた動画企画になっています。
言われてみると当然のように感じますが、いざ「YouTubeチャンネルを作ろう!動画を作ろう!」となると忘れてしまいがちなのが、この「視聴者目線に立つ」ことです。
「視聴者が求めていること」を意識してコンテンツを制作することで、あなたが運営するチャンネルとその動画は多くの人にとって価値のあるコンテンツになります。
「伝えたいことだけ」の動画だと、どうなる?
運営者側の「伝えたいこと」のみで構成された動画は、どんなに映像のクオリティが高くても、魅力的なアニメーションが使われていても、視聴者にとっては「なんだただの広告か」と興味を持てない内容になります。
そうなると自社でYouTubeチャンネルを立ち上げるメリットはなくなってしまい、従来の広告出稿などのマーケティング手法と同じ、またはそれよりも効果が望めないものになってしまいます。
ということで!
今回は4つのアイディアのうち、Bチームのアイディアを選びます!
打てる企画の数が多く、電子レンジとより親和性の高い「レシピ動画」をチャンネルの大筋として、需要のある「お掃除動画」もサブジャンルとして採用します。
大きなジャンルは”舞台”、あなたの個性や特徴が"演目"
前項では、
- 伝えたいこと=電子レンジの情報
- 視聴者が求めていること=電子レンジを使ったレシピやお手入れ
をしっかり分けて、どちらも含めたコンテンツにしよう!とお伝えいたしました。
が、チャンネルや動画をより多くの人に見られるものにするために、もう一つ重要なことがあります。
コンテンツに強力な「特徴」があるか?
電子レンジを使ったレシピ動画、というコンテンツを下記のように分解します。
特徴:電子レンジ
ジャンル:レシピ動画
電子レンジを販促するチャンネルなので自ずと「特徴」は電子レンジになります。
そして、それを需要のあるレシピ動画という「ジャンル」の上でコンテンツにしていきます。
ここで注目して頂きたいのが”需要がある”ということは競合が多い可能性が高いということです。特に今回のテーマ「レシピ」に関しては競合が多いことは想像に容易いです。
そんな需要の多いジャンルの中で戦うための一番の戦略は、自身のコンテンツの特徴をしっかりと認識しそれを演出することです。
そう考えると、特徴が電子レンジだけでは少し心もとないですね...。
特徴のミックスで独自性を出せる
こういった場合は、他の特徴をミックスさせることを考えます。
- 「電子レンジ」とはまったく別のアイディアを付け足す
- 「電子レンジ」がもたらしてくれる特徴を整理して最大化する
どちらも有効ですが、後者のほうが考えやすいでしょう。
例えば、電子レンジ調理は”簡単”や”時短”に繋がることが多いので、「電子レンジを使ったレシピです!」に特徴を足して、「電子レンジを使うと3分で○○が作れる!簡単レシピです!」にできます。
こう記載する方が、より視聴者の心にささる内容になりますね。
先ほどの競合調査で見つかったコンテンツと比較して、自分が作るコンテンツがどんな特徴や個性を生み出せるのか、しっかりと考えてそれをコンテンツに反映させることはYouTube成功への近道になります!
レシピという立派な舞台(ジャンル)の上で、どんな演目(特徴)を行うのか。その舞台が大きければ大きいほど、演目の内容はしっかりと個性的で特徴ある内容である必要があります。
チャンネル全体の方針が決定できたら具体的に動画の内容を考えよう!
さて!
ここまではチャンネル全体の方針決めをしてきましたが、ここからはそのチャンネルに公開される動画の企画を考えていきます。
基本的にはYouTubeで視聴者や人気を獲得するためには定期的に動画を公開していく必要があります。
しかし、動画の企画を考えるのはなかなか大変です。筆者もネタ切れに困り果てた日々もありました(笑)。
そんな日々の中で筆者が行っていた動画の企画作成のコツを紹介させて頂きます。
まずはサムネイルとタイトルに入れる文言を考える!
動画の企画を考える際は、サムネイルとタイトルから考え始めることをおすすめします。
YouTubeにおいてサムネイルとタイトルはとても重要でその動画の再生回数に大きく関わってきます。視聴者の多くはまずサムネイルとタイトルを見て、興味があるか、面白そうか判断をして動画を視聴します。
なのでサムネイルと動画の内容に大きな差異があったり、タイトルに記載された内容が動画に含まれていないと視聴者はすぐに離脱してしまいます。
つまり、サムネイルとタイトルを考えることで自ずと動画の軸が決まり、双方の内容のぶれをなくせます
また、扱うネタ(今回はレシピや食材)やキーワードはとても重要です。サムネイルとタイトルに人気ワードを使うことでその動画は多くの人の検索結果に表示される可能性が高くなり、再生回数アップに大きく貢献します。
ネタとキーワードを決める方法は?
動画を企画するならまずはサムネイルとタイトル、それにはネタやキーワード選びが大事。ということでネタやキーワードを決める方法を解説します。
トレンドをチェック
良いネタやキーワードを見つけるには日々SNSやニュースなどをチェックしてトレンド情報をいち早く取り入れたりすることが大切です。
YouTube検索
チャンネルの方針を決めた時と同様に「YouTube検索」でもヒントを見つけられます。
例えばYouTubeで「電子レンジ レシピ」と検索してみるとスイーツ系が多かったり電子レンジを使っているので簡単にできるレシピ系が多いことが分かります。これだけでも色々なキーワードやネタのアイディアを発見できます。
Googleトレンド
続いて、「Googleトレンド」を使ってもっと具体的に調べていきましょう。
Googleトレンドは検索数の多い急上昇ワードの閲覧や、指定したキーワードの検索ボリュームやそのワードとセットで検索されることの多いワードを閲覧することができるGoogleのサービスです。
例えばGoogleトレンドを開いてスイーツと入力。
色々な関連ワードを見ることができるのでその中から何かネタになりそうなキーワードを探してみると...
「低糖質 スイーツ」というワードを発見!
電子レンジで作れる低糖質スイーツ、結構よい動画になりそうですね!
集まったヒントをまとめると
YouTube検索やGoogleトレンドを使うことで、いくつか動画に使うキーワードを集めることが出来ました!
集まったキーワードを元に、動画のタイトルとサムネイルを考えてみます。
タイトル:電子レンジで簡単!低糖質スイーツのレシピ3選!
サムネイル:完成したスイーツと電子レンジ
実際にタイトルとサムネイルにすると、動画のイメージが鮮明に沸いてきませんか?笑
後は実際に紹介するレシピを決めれば動画の企画は完成です!
電子レンジから紆余曲折あって低糖質スイーツまで辿り着きましたが、やることはどんなテーマであっても変わりません。ネタやキーワードを選定して、それをサムネイルとタイトルに落とし込む。
もちろん、前述の通り様々なメディアからトレンド情報を仕入れたり、他のクリエイターや企業が公開しているコンテンツをチェックしてアイディアを手に入れたりと地道な努力も必要です。
「なんとなくわかるけど、業種が違い過ぎて電子レンジだとうまくイメージができない」という方は、こちらの内容を一般化して整理した以下の記事をぜひ読んでみてください。
まとめ
今回はYouTubeチャンネルの方針決定から動画企画の作り方やコツを解説しました。
YouTubeは視聴者との距離が近いのが良いところです。コンテンツやコメント欄を通して運営者と視聴者がコミュニケーションをとることで視聴者の”ファン化”を図ることができます。
そのためには視聴者目線に立って、あなたの伝えたい事に視聴者が求めている事を加えたうえでコンテンツを制作することがとても重要です!そのことを意識してキーワード選定や動画撮影を行えば、きっとあなたのチャンネルは魅力的で販促効果の高いチャンネルになれるはずです。
さあ、ここまで来たら撮影あるのみ!
ですがその前に機材やロケ地(撮影場所)の確認を行いましょう。ここで漏れると、せっかくの企画も台なしです。
実際の撮影を想定しながら、不足がないように準備を進めて行きましょう。
その前に機材を買わないと…という方は、Youtube撮影におすすめの機材をこちらにまとめていますのでご覧ください。