2022年1月20日(現地時間)、欧州議会は違法コンテンツの排除や適正な広告表示を義務付ける「デジタルサービス法案(DSA|Digital Services Act)」を賛成530票、反対78票、棄権80票で承認しました。
法案はEU理事会で承認されると発効となります。発効は最短で2023年の見込み。
Digital Services Act: MEPs have agreed a draft set of measures to tackle illegal content, ensure platforms are held accountable for their algorithms and improve content moderation ↓
— European Parliament (@Europarl_EN) January 20, 2022
DSA法案の目的は、GoogleやApple、Amazon、Meta(旧FACEBOOK)といった大手プラットフォーム企業に対する規制強化。
より安全なオンラインスペースを作るためとしており、以下のような内容となっています。
・児童ポルノや差別、デマ、ヘイトスピーチなどを含む違法コンテンツの排除や差し止め
・ターゲティング広告のために未成年者のデータを使用することを禁止
・ターゲティング広告のための個人情報収集を、簡単に拒否できる仕組みの提供
・サービス利用者の損害賠償請求権の容認
など。
違反した企業には最大で世界売上高の6%という莫大な罰金が課せられます。
違法コンテンツや偽情報、誹謗中傷等の排除はプラットフォーマーも対策を強化していますが、今回影響が大きいのはターゲティング広告の規制強化でしょう。規制によってターゲティングの精度が落ちれば、プラットフォーマーの収益にもかかわりますし、広告配信事業を展開する企業も無関係ではいられません。
法案に準じた仕組みの整備とともに、利用者にとって安全で、かつ効果も高い新しい広告作りが求められています。