米Disney Enterprises社が、スマートフォンなどのデバイスとの位置情報を利用して、特殊なVR機器を使用せず、実世界の会場内でメタバース体験ができる「仮想世界シミュレーター」という特許技術を取得したことが明らかになりました。
今回の特許技術の取得は米国特許商標庁（USPTO）の公開資料により明らかになりました。
特許の申請は2020年7月に行われ、2021年12月に特許が認められました。
この技術を利用すると、会場にいるユーザーのスマートフォン等のデバイスを追跡、会場のマップと照らし合わせることで位置を特定し、現実の会場にキャラクターの画像の投影、隠されたスピーカーの音声の再生などを行うことで現実世界でメタバースの体験が可能となるとのことです。
こういった現実世界と仮想世界を混合させ、現実にないものを知覚できる技術の技術はXR（クロスリアリティ）といいます。VR、AR、MRなどは併用して技術が使用されるため境界線が曖昧で、これらをすべて含めてXRとして呼ばれています。
LosAngelsTimesによると、ディズニーの広報担当者は「技術開発を模索しながら、毎年何百もの特許を出願している。現在この技術を導入する計画はない」と述べています。
一方、2021年11月、ウォルトディズニーカンパニーのCEOであるBob Chapek（ボブ・チャペック）氏は、「現実世界とデジタルな世界をより密接に結びつけた独自のディズニー・メタバースを思い描いている」と意欲的な方針を示しており、新たな技術の採用に期待が寄せられています。