Appleは2021年9月1日(現地時間)、iPhoneのリーダーアプリ(書籍や音楽を楽しめるアプリ)上での課金の際、アプリ企業が外部サイトでの支払いに誘導することを容認すると発表しました。適用は2022年初めから、全世界です。
Appleはいままで外部サイトへの誘導を厳しく制限し、アプリ企業から30%(中小企業は15%)の手数料を徴収しており、高すぎるとの批判が集まっていました。
今回の容認は、Appleを独占禁止法の疑い(※)で調べていた日本の公正取引委員会との合意に基づく措置。2022年初めから、日本だけでなく全世界に適用されます。日本の公正取引委員会がアメリカの大企業を動かした形となり、これは異例のことです。
なお、対象アプリはSpotifyなど、書籍や新聞、音楽、動画などを楽しめるリーダーアプリのみ。ゲームアプリ等は引き続き外部サイトへの誘導は禁止のままです。
※外部サイトへの誘導禁止は、独占禁止法が禁じる私的独占や拘束条件付き取引に該当する可能性があるとして、日本公正取引委員会が2016年以降、調査していました。今回の決定をもって調査は終了となります。
Apple公式サイト(日本)の発表:
https://www.apple.com/jp/newsroom/2021/09/japan-fair-trade-commission-closes-app-store-investigation/
8月26日には米国内での集団訴訟の和解も発表
Appleは、8月26日(現地時間)に米国内での集団訴訟の原告と合意し、小規模のアプリ開発者を支援する方針も発表しています。内容は「年間売上高100万ドル(約1億円)未満の企業の手数料引き下げを、少なくとも今後3年間は継続(通常30%→15%)」「利用者に対し、メール等で外部サイトへの支払いへ誘導できる」など7項目。
こちらの方針は、日本の事業者にも適用されます。
Apple公式サイト(米)の発表:
https://www.apple.com/newsroom/2021/08/apple-us-developers-agree-to-app-store-updates/