PayPay株式会社は8月19日、キャッシュレス決済サービス「PayPay」について、決済システム利用料を2021年10月1日から有料化すると発表しました。
対象は、年商10億円以下の加盟店。利用料は、取引金額の1.6%(税別)もしくは1.98%(税別)で、加盟店向けサービス「PayPayマイストア ライトプラン」※の加入有無によって変わります。
また、2020年4月1日以前に加盟した年商10億円以上の法人は、2021年9月末まで利用料無料でしたが、2021年10月以降は有料となります(2020年4月1日以後に加盟した年商10億円以上の法人はすでに有料)。
※初期費用1,980円(税別)、月額1,980円(税別)/1店舗で、PayPayクーポンを発行したり、アプリ上に店舗ページを作成したりできる機能。
PayPayの決済システム利用料は業界最安水準に設定されているため、「キャッシュレス決済は導入したいが、クレジットカードは手数料が高すぎる」と考える店舗にとっては依然として有力なキャッシュレス決済の選択肢です。
鍵となるのは、中~小規模の店舗。業界最低水準とはいえ軽くない負担のため、「離脱が続出するのではないか」と見る向きもあります。
しかし、PayPayを導入した結果、「釣り銭の受け渡しのミスが減った」「お客様の回転率が良くなった」と、キャッシュレス決済の効果を実感している店舗が多いのも事実。コスト以上のメリットがあると判断すれば、有料化しても離脱せずに使い続けるでしょう。
「キャッシュレス決済はPayPayのみ」という店舗が大幅に増えた今、多数の離脱は日本のキャッシュレス決済が大きく後退することを意味します。一方、離脱が少なければ、クレジットカード会社を含め手数料の値下げ合戦が始まるかもしれません。
これからのキャッシュレス決済の動向を占うひとつの契機になりそうです。