IT導入補助金は、ITツールを導入して生産性を上げたいという企業にとってツールを安く導入できるありがたい制度です。
■IT導入補助金ポータルサイト
https://www.it-hojo.jp/
しかし、そもそも補助金対象となるのはどんなソフト・ツールなのか?
それは自社で役立つのか?
ということが気になっている方も多いと思います。
この記事では2021年現在の、IT導入補助金の対象となる主なソフトをご紹介します。
IT系のツールならなんでもいい?
残念ながら、IT系のツールならなんでもいいというわけではなく、以下は補助対象外となります。
- ホームページ制作
- リース製品
- ハードウェア
ホームページ制作は対象外ですが、ECサイト(新規作成のみ)は補助対象になります。既存のECサイトの改修は対象外となるので注意してください。ハードウェアについては、低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)のソフトウェア導入に必要な場合のみ、レンタル費用が補助対象になります。購入は対象外です。
公式ホームページの「よくある質問」に詳細説明があるので、こちらも参考にしてください(PDF形式)。
https://www.it-hojo.jp/r02/doc/pdf/r2_faq_application.pdf
注意点
対象ツールの導入にあたり、ひとつ注意点があります。
対象ソフトは、IT導入支援事業者を通して購入する必要がある、ということです。
例えば、会計ソフトの「freee」や「弥生会計」を入れたい、マイクロソフトのOfficeを入れたい、といった場合、イメージするのは各公式サイトやAmazon等からのライセンス購入でしょう。
しかしIT導入補助金を使って導入する場合は、登録されている事業者からの購入が必須となります。
導入サポートの付いたプランもあるので、サービス内容を比べてみるとよいでしょう。
対象ソフトの検索方法
対象ソフトは、IT導入補助金の公式ホームページから検索できます。
https://www.it-hojo.jp/applicant/vendorlist.html
検索方法は2種類。ツール名や導入支援事業者が決まっている場合は「シンプル検索」、まずはどんなITツールがあるのか調べたい場合は「詳細検索」を使ってください。
シンプル検索
さきほども説明しましたが、ツールは導入を支援する事業者を通じて購入しなければなりません。
ソフトの製造メーカーが登録事業者であるとは限らないので、社名で検索すると予想と違った結果になる可能性があります。例)Officeを検索するために社名にマイクロソフトと指定しても検索結果が0になる
① 事業者名(法人名・幹事社名)もしくはツール名を入力し、検索をクリックします
② ツール名で調べた場合であっても、検索結果にはそのツールを導入支援してくれる事業者の一覧が出てきます。
「IT導入支援事業者詳細&ITツール一覧」のリンクをクリックします
③ 支援事業者の詳細が表示されます。ツールを見たい場合は、「ITツール一覧」のタブをクリックします。
④ ここでやっと、ツール(導入支援のプランやサービス)の一覧が表示されます。
但し、ここにはその事業者が提供しているすべてのツール(サービス)が表示されています。絞り込みたい場合は、赤枠のプロセスでジャンルを絞り込みましょう。
ツールの詳細を確認したい場合は、ITツール名のリンクをクリックします。
⑤ ITツールの詳細情報が表示されます。
詳細検索
「詳細検索」という名前ですが、こちらは業者名やツール名を指定しなくてもよいので、ざっくりした検索も可能です。
・IT導入支援事業者 情報
「営業エリア」は必須条件なので、検索対象の都道府県を選択しましょう。
IT導入支援事業者は法人かコンソーシアム(※1)かのどちらかで登録されていますので、入力する場合はいずれかでOKです。「セキュリティ認証保持事業者」以降の3つは必須入力という意味ではなく、チェックを付けると「セキュリティ認証保持事業者だけに絞る」という意味です。
※1 コンソーシアムあるいは共同事業体は、2つ以上の個人、企業、団体、政府から成る団体であり、共同で何らかの目的に沿った活動を行ったり、共通の目標に向かって資源を蓄える目的で結成される。wikipediaから引用
・ITツール側の情報
ツールの検索条件ではどの業種向けのツールなのかを選べる「取り扱い業種」という項目や、業務工程での絞り込みができる「プロセス」という項目があります。
テレワークでも使えるツールを表示するための「クラウド対応ツール」「業務の非対面化対応ツール」なども選べます。
ジャンル別!主な対象ソフト
ここからは、対象のツールをジャンル別にいくつか取り上げて紹介していきます。
「やりたいことのイメージはあるけど、どんなツールがあるのかよくわからない」という方は参考にしてみてください。
勤怠管理
Touch On Time
クラウド型の勤怠管理システムで、テレワークでも使えます。PC接続の必要がなく、生体認証による打刻もできます。またPCを用いたブラウザでの打刻やスマートフォンに対応したモバイルでの打刻にも対応しています。
開発会社: 株式会社デジジャパン
機能
- 打刻
- 勤怠
- 残業集計
- 勤務状況の確認
- シフト管理
- 有給、休暇管理
- アラート機能
料金
- 月額300円/人(※初期費用無し)
リンク: https://www.kintaisystem.com/
jinjer勤怠
勤怠管理やシフト管理を簡単にし、業務効率化と法令遵守を実現するクラウドベースの勤怠管理システムです。GPS機能で一定範囲内でしかモバイルでの打刻できないようにする設定があるのが特徴です。
開発会社: 株式会社ネオキャリア
機能:
- 打刻
- 勤怠データの集計
- シフト管理
- 有給、休暇管理
- 多言語対応
- アラート機能
- 予実管理
料金:
- 人事管理 月額500円
- 給与計算 月額500円
- 経費精算 月額500円
- 勤怠管理 月額300円
※初期費用 100,000円
リンク: https://hcm-jinjer.com/kintai/
グループウェア・テレワーク
Google Workspace
Googleが提供する組織向けのアプリケーションセットです。Google MeetsやGoogle カレンダー、Google ドライブなどテレワークをする上でかなり重要なアプリケーションが揃っています。
開発会社: Google
機能:
- Gmail
- Google Meets
- Google Chat
- Google カレンダー
- Google ドライブ
- Google ドキュメント
- Google スプレッドシート
- Google スライド
- Google フォーム
- Google Keep
- Google Apps Script
- Google Cloud Search
料金:
- Business Starterプラン 月額680円/人
- Business Standardプラン 月額1,360円/人
- Business Plusプラン 月額2,040円/人
※Enterprise・Education・Frontline(ユーザー数上限なし)プランについてはGoogle Workspace の代理店に直接お問い合わせください。
リンク: https://workspace.google.com/intl/ja/
Chatwork
チャットだけでなくビデオ通話やタスク管理も行えるチャットツールです。スマホ版のアプリもあるので外出時でもスマホでチャットの確認ができます。
開発会社: Chatwork株式会社
機能:
- チャット
- タスク管理
- ファイル管理
- ビデオ/音声通話
料金:
- フリープラン 0円
- ビジネスプラン
月額500円/人(年間契約の場合)
月額600円/人(月間契約の場合) - エンタープライズプラン
月額800円/人(年間契約の場合)
月額960円/人(月間契約の場合)
リンク: https://go.chatwork.com/ja/
Zoom
言わずと知れたビデオ会議ツールです。オンラインでのミーティングやセミナー、研修など幅広く使われています。
開発会社: Zoomビデオコミュニケーションズ
機能:
- ビデオミーティング
- カレンダーと同期
- ホワイトボード
- Slackと連携
料金:
- 無料プラン 0円
- プロプラン 20,100円/年
- ビジネスプラン 26,900円/年
- 企業向けプラン 32,300円/年
リンク: https://zoom.us/
会計・経費精算
弥生会計
簿記や会計の知識がない初心者でも簡単に使えるようなサポートや画面設計が特徴の会計システムです。外部サービスとの連携で口座の取引データを自動で取り込めるので、経理の業務効率が上がるシステムです。
開発会社: 弥生株式会社
機能:
- 集計
- 資金繰り管理
- 経営分析
- 予算管理
- 法人決算
- 個人決算
料金:
- セルフプラン
スタンダード: 年間27,200円(初年度は0円)
プロフェッショナル: 年間36,100円(初年度は0円)
プロフェッショナル(2ユーザー): 年間55,600円(初年度は0円)
- ベーシックプラン
スタンダード: 年間34,500円(初年度は0円)
プロフェッショナル: 年間45,200円(初年度は0円)
プロフェッショナル(2ユーザー): 年間66,600円(初年度は0円)
- トータルプラン
スタンダード: 年間44,000円(初年度は9,500円)
プロフェッショナル: 年間60,000円(初年度は14,800円)
プロフェッショナル(2ユーザー): 年間80,000円(初年度は13,400円)
リンク: https://www.yayoi-kk.co.jp/index.html
マネーフォワード クラウド会計
インターネットバンキングやクレジットカードなどとデータ連携することで、明細データを自動で取り込んでくれるクラウドシステムです。自動で取り込んだデータをもとに決済書なども作成できます。
開発会社: 株式会社マネーフォワード
機能:
- 決算書の作成
- 帳票一覧
- 仕訳、記帳の自動化
- 金融機関連携
料金:
スモールビジネス
- 年額プラン
月額2,980円
年間35,760円 - 月額プラン
月額3,980円
ビジネス
- 年額プラン
月額4,980円
年間59,760円 - 月額プラン
料金体系は「基本料金+従量課金+オプション」となっています。
リンク: https://biz.moneyforward.com/accounting
人事給与・労務管理
freee人事労務
クラウド型の人事労務管理システムです。freee人事労務では勤怠・給与計算・明細発行を全て一括管理することができます。
開発会社: freee株式会社
機能:
- 給与計算
- 給与明細
- 勤怠管理
- 有給休暇管理
- マイナンバー管理
- 年末調整
料金:
- ミニマムプラン
年額プラン
・1,980円~/月
・23,760円~/年
月額プラン
・2,200円〜
- ベーシック
年額プラン
・3,980円~/月
・47,760円~/年
月額プラン
・4,480円〜
- プロフェッショナル
年額プラン
・8,080円~/月
・96,960円~/年
月額プラン
・9,280円〜
- エンタープライズ
※特徴
①登録後、1ヶ月無償でお試しできる
②推奨人数は1人から登録可能
リンク: https://corp.freee.co.jp/
総務人事奉行クラウド
総務人事業務の定型化による業務生産性の向上するためのクラウドシステムです。
フォーマットやパターンから選ぶだけで書類やリスト作成を自動化してくれます。
開発会社: 株式会社オービックビジネスコンサルタント
機能:
- 免許・資格情報管理
- 休職者管理
- 在職証明書の発行
- 退職証明書の発行
- 労働契約更新
料金:
- iEシステム(20名まで)
・初期費用 0円
・利用料 72,000円/年
- iAシステム(50名まで)
・初期費用 50,000円
・利用料 120,000円/年
- iBシステム(100名まで)
・初期費用 60,000円
・利用料 200,000円/年
- iSシステム(300名~1,000名まで)
・初期費用 70,000円
・利用料280,000円/年〜1,120,000円/年
リンク: https://www.oa.obic.co.jp/
まとめ
今回はIT導入補助金の対象ソフトについて説明しました。残念ながら「ジャンル別のソフト一覧」で見ることはできないのですが、事業者ごとに調べることはできます。対象ソフトの取扱い事業者までは絞れるので地道に比較検討してみましょう。
IT導入補助金でツール導入の費用のハードルはかなり低くなっていると思うのでこれを機に新しいITツールを取り入れてみませんか?