アフィリエイトは気軽に収入が得られることから、多くの方が副業として取り組んでいます。
在庫を持つ必要もなく、初期投資が少ないことが大きな魅力のためこれから始めようと検討されている方も多いでしょう。
しかし最近、「アフィリエイトはオワコン!」といった風潮があるのはご存知でしょうか?
そう言われるのには確かに一理ありますが、地道に副収入を得たいなら方法はあります。
今回は、会社のアフィリエイト事業を担当している私(M)が、わかりやすく解説していきます。
アフィリエイトはオワコン?賛否の理由
日本では1999年にバリューコマースがアフィリエイトプログラムを開始し、それからA8.netやAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトなどが続々と参入しました。日本では21年の歴史があるアフィリエイトですが、2015年頃から「アフィリエイトでは稼げない」や「オワコン」という風潮が出始め、その賛否論争はいまだに行われています。ここではその賛否の理由を解説します。
オワコンだと言われる理由
オワコンだと言われる理由は大きく分けて3つです。
大手企業の参入
株式会社小学館や株式会社エイチームをはじめ、多くの企業がアフィリエイト事業に参入しています。
- 記事の量産ができる
個人では100記事つくるのに1年以上かかる人がほとんどです。
しかし資金力のある大企業はランサーズなどのクラウドソーシングで依頼し1~2か月で作成することができます。
クラウドソーシングで1記事依頼するのに2~3,000円程度の費用のため100記事で2~30万円のコストになりますが、企業としては1人分の人件費以下ですから安いもんですよね。 - プロの編集者を付けることができる
クラウドソーシングでの記事量産は、プロのアフィリエイトブロガーも同じように活用しています。しかし大企業はプロの編集者を付けることができ、より「良質な記事」を量産することができます。 - 有名人を起用するなどお金をかけた記事を作成することができる
本の著者や芸能人などの有名人を起用し、お金をかけた記事の作成ができるのも大企業ならではです。 - 知名度がある
大企業はそもそも知名度も高いため、新しくサイトを立ち上げたとなれば一気にPVを稼ぐことができます。さらに大企業同士のコラボ記事など作成することができるのも大企業の強みです。
資金力や知名度の高さは個人では太刀打ちできないことが、「アフィリエイトはオワコン」と言われる理由の一つです。
Googleのアルゴリズムアップデートの影響
2016~2017年にアフィリエイトバブルと呼ばれる、アフィリエイトで稼ぎやすい時期がありました。そのバブルが終わった要因のひとつが「健康アップデート」と言われるGoogleのアルゴリズムアップデートの影響です。
健康アップデートとは医療や健康に関する情報の精査を目的に2017年12月6日に日本のみで実施されたアルゴリズムアップデートです。「肩こりは霊のせい」といった情報が検索上位になっていることが騒ぎになったWELQ問題は記憶にある人も多いでしょう。このアップデートで根拠のない情報が掲載されたコンテンツは検索上位から一気に姿を消す結果となりました。
その後も、お金や生活に関わるキーワード「YMYL(Your Money or Your Life)」では専門性・権威性・信頼性(E-A-T)を重視するアルゴリズムへのアップデートが続き、個人のブログでは上位表示させるのが難しくなっています。
ライバルが増え続けている
アフィリエイトがオワコンと言われても尚、アフィリエイトへの参入者は増加しています。
下図は株式会社ファンコミュニケーションズが運営するA8.netの会員数の推移グラフです。
広告主の数以上に、アフィリエイター(登録パートナーサイト)が増えていることがおわかりでしょうか。
紹介できる商品はASPで取り扱いのある商品に限られます。紹介するアフィリエイターが多いとそれだけ競争は厳しくなり、上位表示させるのは難しくなります。
オワコンではないと言われる理由
一方で、オワコンではないと主張する方もいます。私もオワコンではないと思っている側になり、その理由を解説します。
副業の範囲なら可能
上記で解説したようにアフィリエイトで稼ぐことが難しくなったのは事実です。しかしそもそも、稼ぐとはいくらを指すのでしょうか?
副業でいくら収入を得たいのか「プロフクMAGAZIN」で2018年に無作為に抽出した男女200人に行ったアンケート調査結果が以下の結果です。
アンケート結果では3万円前後がほとんどという結果だったようです。
本業が会社員の場合、アフィリエイトでの副収入が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になることもこの金額になった大きな理由のひとつでしょう。
会社のアフィリエイト事業を担当して思うのは、アフィリエイトで月3万円の収入を得るのは簡単ではないものの、特別なスキルなしでも到達可能な数字だということです。
アフィリエイトパートナーが受取る成果報酬の総額は増えている
アフィリエイトがオワコンではない理由はASPの売上推移をみるとさらによくわかります。下図は老舗のASPバリューコマースの2019年決算説明資料を元に、アフィリエイトパートナーの成果報酬の推移を比較したグラフです。
参考資料:バリューコマース2019年決算説明資料(P.22)
報酬額が増えているのがおわかりでしょうか?
資料から企業と個人の割合はわかりません。もしかすると個人の売上は減っているかもしれませんが、アフィリエイトパートナーへの報酬額が増えているということは、アフィリエイトの需要がまだまだあることを意味しています。
実際に2019年にアフィリエイトを始めて3万円前後の収益をあげているアフィリエイターの方をTwitterなどで多く見かけます。
有名アフィリエイターさんの見解
たくさんの有名アフィリエイターさんもアフィリエイトについて独自の見解を示しています。オワコンかどうかを考えるうえで参考になりますので、
今回はアフィリエイターさんの見解を一部ご紹介します。
松本 博樹さん(ノマド的節約術 https://nomad-saving.com/ )
ご自身の経験をもとに節約術や資産運用の知識を発信しているアフィリエイターさんです。月間数百万PVを誇るサイトを運営されています。
2019年に更新された「アフィリエイトで月3万円コンスタントに収益を上げるためにやったこと全部紹介します!」の中では、アフィリエイトを始めたきっかけからアフィリエイトで収入を得るコツが紹介してあります。
記事中では成功した理由を「運がよかった」と綴ってありますが、実際には興味がある分野の専門的で有益な情報を読者目線に立ちコツコツと発信していくと月3万円程度の収入は得る事ができるといった結論で締めくくられています。
cardmicsさん(クレジットカードの読みもの https://news.cardmics.com/ )
クレジットカードや投資などのお金に関する情報を発信しているアフィリエイターさんです。月間500万PVを誇るサイトを運営されています。
「月間アクセス数が550万PVを突破(2018年12月)!参考までに、私がドメインパワーを維持するために実践してるSEO対策を紹介。」の中でサイト全体のPVを上げるコツを紹介してあります。
記事中で質の悪い記事(読むに値しない記事)は削除、もしくは作成しても公開しないようにしていると綴ってあります。Googleアルゴリズムのアップデートの影響を受けやすいジャンルでありながら、浮き沈みがありつつもトップアフィリエイターの地位にいるのは、コンテンツの質を追求することでGoogleや読者の支持を得ているからだと思われます。
KYOKOさん(KYOKOオフィシャルブログ https://only-afilife.com/ )
SEOコンサルタントとして、副業、特にアフィリエイトの情報を発信しているアフィリエイターさんです。
KYOKOさんは「アフィリエイトは稼げないからやめとけ?オワコン説の信憑性」で「アフィリエイト オワコン」説に言及されています。
YMYLやEATといったGoogleのアルゴリズムアップデートの影響で、アフィリエイトは稼げないのではなく稼ぎにくくなったという結論で締めくくられています。
記事中の具体的な対策方法として、検索ニーズに合わせてYouTubeやSNSといったマルチメディアを活用すること、体験談などのオリジナリティのあるコンテンツや二ッチなキーワードでコンテンツを作成していくことが重要だと紹介されています。
Sanzzo|サンツォさん(ブログ部 https://ebloger.net/ )
アフィリエイトで成功した経験から運用のコツやSEOのノウハウ等を発信しているアフィリエイターさんです。
Sanzzoさんも「【やめとけ】アフィリエイトは稼げない!その理由を月収300万円のワイが教えたる。」で「アフィリエイト オワコン」について言及されています。
アフィリエイトでは稼げないというタイトルではありますが、記事の内容は「楽をして収入を得ることはできないが、リスクや対策方法を理解してコツコツと継続すると、ある程度の収入が見込める魅力的なビジネス」だとまとめてあります。
アフィリエイトで収益を発生させるまでの作業スケジュール
アフィリエイトバブルの時代ほどの収入を得ることが難しくなったことは事実です。しかしいまだに魅力的な副業であることには違いがありません。実際に今からアフィリエイトを始めようという方に具体的な作業スケジュールを紹介します。
1.自分に適した商材(ジャンル)を選定する
まずどの商材(ジャンル)を扱うかを決めます。
幅広く商材を紹介するサイトは専門性が低下するため、できるだけジャンルを絞るようにしましょう。
商材(ジャンル)の選定方法
得意(知識が人より豊富)な分野や興味がある分野を選べば、良質な記事を作りやすいです。
クレジットカードやエステ、FXなどの高単価の商材を選ぶのもひとつの手ですが、アフィリエイトの場合、すぐに結果がでることは稀なので、楽しく気長に続けられるジャンルを選ぶほうが無理もかかりにくいです。
2.実現可能な目標をたてる
ジャンルが決まったら実現可能な目標を立てます。目標を立てる上でどれくらい作業時間が確保できるのかを知る必要があります。
確保できる作業時間
副業としてアフィリエイトを行う場合、作業時間は限られます。
通勤時間や昼休み、帰宅後など平日は1~2時間程度。週末に予定がなければ8時間、予定があれば何もしない。といった具合に作業時間を決めておきます。
家族や友人とのプライベートな予定が多い人は、少なめに見積もっておきましょう。
目標金額
ジャンルにもよりますが、月に25時間作業した場合、半年で50記事程度作成ができます。作成して半年後に初めて収益が発生し、1年後に月1万円ほどの収益が発生するといった目安で目標を設定すると現実的かと思います。
アフィリエイトで簡単に収入を得ることは難しいです。でも最初の1年は我慢の時期です。
記事数が100を超えると新規記事のペースも落とせますし、それだけ書けば記事作成も慣れて負荷も減ります。またGoogleアドセンスなどの広告も併用すれば2年ほどで無理なく月3万円くらいは稼げるようになりますよ!
気長すぎると思うかもしれませんが、フルタイムの本業があるなら最初にあまり無理しないことが続けるコツです。
3.ブログを準備する
ジャンルや目標が決まったら次に記事を投稿するサイトを作成します。
WordPress or 有料ブログサービス?
ブログサイトの作成ができるサービスはたくさんありますが、趣味のブログではなくアフィリエイトサイトを運営する際にはWordPressで作成することをおすすめします。
はてなブログなどの有料ブログはWebの知識がない方でも簡単に記事の作成をすることができますが、デザインやアフィリエイト向けのカスタマイズ性などの自由度の低さから、のちのちWordPressへ移行するといった方がほとんどです。
WordPressへ移行する場合は積み上げてきたPVがいったん0になるため、初めからWordPressで作成し、デザインは徐々に微調整していくほうが確実です。
具体的なWordPressの構築方法はこちらの記事を参考にしてください。
デザインの決め方
アフィリエイト収益を増やすためにはサイトデザインが重要です。
検索ユーザーにストレスのない配色やデザインへ変更すると、記事が読みやすくなるため離脱率が低下し、PVが増えて収益が発生する確率が上がります。
ただ初めからどんなデザインにしたらいいのかわからないという方も多く、そういった場合はWordPressのテーマを活用するとよいでしょう。
Googleの無料解析ツールを入れる
サイトが完成したらGoogleアナリティクスとサーチコンソールをサイトに組み込みます。
どちらもGoogleが無料で提供しているWeb解析ツールで、SEO対策をする上で重要なデータを集めることができます。データは多いに越したことはないためサイトが完成したらすぐ入れるようにしましょう。
以下の記事でGoogleの無料解析ツールをサイトへ組込む方法を解説しています。
4.キーワードの選定をする
ここまで完了したら次にキーワードの選定を行います。キーワード選定は検索ユーザーのニーズを理解し効率的にサイト運営を行うためにとても重要なポイントとなります。
がむしゃらに記事を書いていてはPVを増やすこともできませんし、ネタを考えるのにも苦労します。
キーワード選定を行う際はGoogleのキーワードプランナーで検索ボリュームなど確認して選定するようにしましょう。対象ジャンルに興味を持っている人がどんな悩みを持ち、どんなキーワードで検索しているのか知るには、Yahoo!知恵袋などを読んでみましょう。
5.良質なコンテンツを作成し続ける
キーワードを選定したら、早速コンテンツ(記事)の作成を行います。
ここで重要になるのが、「良質なコンテンツ」を作成し「続ける」ということです。ここが一番大事です。
特にアフィリエイトだと売りたい一心で記事を書きがちになります。しかし売り込まれると引いてしまうのが人の性(さが)でもあります。キーワードのニーズを理解し、中立的な立場で有益な情報を検索ユーザーに分かりやすく発信する。
難しいことですが、情熱とプライドをもって記事を作成していると自然と出来ることかもしれません。そういう意味でも商材(ジャンル)の選定は重要になりますね。
そして大半の方が途中でやめてしまうのがアフィエイト界の現実です。
アフィリエイトでしっかり収入を得ている方の多くが「続ける」ことの重要性を発信しています。自分の作業量に合った目標金額を決め、あまり無理せず気長にコツコツと取り組みましょう。こちらも難しいことですが、自分の興味がある商材(ジャンル)であれば苦労も少なくすみますよ。
6.Googleアドセンスを申請する
アフィリエイトを行う場合、Googleアドセンスと併用して運用しましょう。
Googleアドセンスとは、サイトに訪れたユーザーへ自動的に適した広告が表示され、ユーザーが表示された広告をクリックするとサイトオーナーに収益が入るというGoogleが運営しているクリック広告のことです。
1クリック30~100円程度ではありますが、PVに比例して一定額の収入を得ることができます。またアフィリエイトより早く収益が発生するので続ける励みになるのも併用をおすすめするポイントです。
ちなみに、Googleアドセンスへの申請がスケジュールの最後にあるのは、サイトに5記事程度のコンテンツが無いと申請が下りないからです。
申請が承認される記事数など明確な基準はないのですが、申請は何度でも出来るので申請が下りるまで何度でも申請し続けましょう。
挫折せずに続けるコツ
副業でアフィリエイトを行う場合は収益を得るまでに短くても数か月かかることが多く、もちろんその間の収入はほぼ0です。副収入が欲しくて始めた副業で労力ばかりを使い収入がないと馬鹿らしくなってやめてしまう人が非常に多いです。個人的には、「アフィリエイトはオワコン」「アフィリエイトは稼げない」と言われる最大の理由は、挫折する人の多さにもあると思っています。
この記事を読んでいただいた方にはしっかりと続けていただき、目標の収益を達成してもらいたいのでアフィリエイトを続けるコツをご紹介します。
興味のある分野を選ぶ
アフィリエイトを途中でやめてしまう理由は先に述べたことが大半です。頭ではわかっていても、いざやってみると同じような発想が沸くものです。
そんな時に踏ん張るには、やはり最初の商品(ジャンル)の選定です。やはり興味がないことを無理に調べ発信することは苦痛です。コンテンツの質も低下する恐れがあります。
いつも何気なく見ている情報(車のニュースはついついみてしまう。など)を改めて思い返し、発信するジャンルを選定しましょう。
SNSで同期の仲間を作る
アフィリエイトを行う際にSNSを活用する方は多いです。
アフィリエイトをやろう!と始めた方は志も高く、新しい情報から悩みまで様々な情報交換ができます。同じ時期に始めた人とは、なおさら話が合うことも多いでしょう。初心者ブロガーの方はSNSのプロフィール欄にブログの開始時期を書いていたり、「Googleアドセンス通過した!」「初めて収益が発生した!」「PV急降下してしまった…」などブログについて発信していたりするので、積極的に仲間づくりに励みましょう!
まとめ
今回は「アフィリエイト オワコン」説について解説しました。
確かにアフィリエイトで簡単に収益を得ることはできなくなりましたが、良質なコンテンツをコツコツと発信し続けると月3万円程度の収益を得ることはできるはずです。そして、3万円まで到達すれば、良質なコンテンツを作り続けているかぎり収益はさらに伸びていきます。
この記事を読んでいる方は行動を起こす時(記事を書く前に)にしっかりと調べて行動に移す(発信する)方だと思います。すでにアフィリエイターの気質があるかもしれませんよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね!