YouTubeの動画制作において、音楽やBGMはクオリティを高める上で重要な要素です。
でも同時に著作権の違反に引っかかりやすい部分でもあります。
せっかく苦労して作った動画が違反をしていて、YouTubeに削除されてしまうのはイヤですよね?
でも著作権について、しっかり理解をしていれば問題ありません!
今回はYouTubeで使う音楽にまつわる著作権の基礎知識と破った際のペナルティについてわかりやすく解説します。
また記事の最後には、音楽・BGMを選ぶ時のチェックリストとオススメのダウンロード先もご紹介しています!
YouTubeにおける音楽の著作権について
まずはYouTubeにおける音楽の著作権の基本的な知識を学んでいきましょう!
そもそも著作権とは?
著作権とは制作者個人の思想や感情が表現された著作物(音楽や美術、文芸、学術など)を保護するための権利のことです。
身近な著作物としては、小説・絵画・映画・写真などがあり、音楽もまた著作物のうちの1つです。
また、著作物でないものとしては単なるデータやアイデア、工業製品などがあげられます。
つまり著作権とは、創作物全般に対して発生する作者の権利のことです!
一方で、他人の著作物を無断で利用してしまうと著作権侵害となり、訴えられることもあります。
そのため著作権には十分に気をつけて、著作物の利用をしていきましょう。
YouTubeにおける音楽の著作権管理の仕組みとは?
YouTubeではコピーライト マッチ ツールとコンテンツ検証プログラム、Content IDによって、著作権を管理しています。
YouTubeにアップロードされた動画は、これらのシステムによって自動的にスキャンされ著作権を確認されます。
【参考】Content IDとは?
Content IDは、Googleが開発したデジタル指紋認証システムで、YouTubeの著作権で保護されたコンテンツを簡単に識別して管理するために使用されます。 YouTubeにアップロードされた動画は、コンテンツ所有者によってContent IDで登録された音声および動画ファイルと比較され、一致するものが検索されます。
引用元:Wikipedia(https://en.wikipedia.org/wiki/Content_ID_(system))
また著作権を侵害しているコンテンツは視聴者によって、直接YouTubeに対して報告が行われることがあります。その訴えが適切であると判断された場合は、YouTubeよりペナルティが課されます。
著作物の使用許可を得る方法
では、他人の著作物を適正に使うにはどうすればいいのでしょうか?
YouTubeヘルプによると
著作権で保護されている素材を動画で使用したい場合、通常はまず使用許可を得る必要があります。YouTube からこうした許可を与えることはできず、許可できる当事者を探して連絡する手助けもできません。これは、ご自身で調べた上で、弁護士の支援を受けるかまたはご自身で対処する必要があります。
引用元:YouTubeヘルプ(https://support.google.com/youtube/answer/2797449?hl=ja)
つまり基本的に著作物の使用許可とるためにはYouTubeの手助けを借りることはできません。
そのため、個人で著作物の使用許可が得られるかを調べなくてはいけません。
とはいえ、有名アーティストに連絡して許可を取るなんて非現実的ですよね。
著作権者との直接交渉なしで使用できる著作物(※)を使うのが一般的な方法ですが、SNSのDMを開放しているアーティストなら直接質問してみてもいいでしょう。公式サイトで方針を明記している方も多いので、失礼がないよう問い合わせ前にしっかり確認してくださいね。
※著作権を放棄しているケースと著作権は放棄していないものの使用は自由というケース、改変不可や出典明記などの条件を付けているケースとさまざまです。また、無料もあれば有料もあります。
著作権を破ったらどうなる?
それではYouTubeにおいて著作権を違反してしまった場合、どんなことが起きるのでしょうか?
YouTube内でのペナルティ
YouTubeでは著作権侵害をしているコンテンツに対して独自のペナルティを科しています。
ペナルティは2019年2月25日に更新され、2020年2月現在は新しいルールで運用されています。
警告の種類とペナルティの内容
事前警告:
初回の違反についてはペナルティなしの事前警告となります。
但し、YouTubeが用意しているコピーライトスクール(無料のオンライン講習)を受講する必要があり、修了するまではアカウントにアクセスできなくなります。
違反警告:
事前警告を除いて90日以内に3回の違反警告を受けた場合、7日間の猶予の後に以下の厳しいペナルティが科せられます。実質的には、アカウントの永久停止と言えるでしょう。
著作権侵害の警告を 3 回受けた場合:
・ アカウントと関連付けられているチャンネルがすべて停止されます。
・ アカウントにアップロードされたすべての動画が削除されます。
・ 新しいチャンネルを作成することはできません。
引用元:YouTubeヘルプ(https://support.google.com/youtube/answer/2814000)
※猶予期間に新しい動画は公開できませんが、チャンネルは公開状態です。
警告解除の方法
著作権侵害の警告を受けた動画を消すだけでは違反警告は解除されません。警告を解除するには以下の3つの方法のうち、いずれかを行う必要があります。
1.YouTubeに異議申し立てをする(誤って削除された場合のみ)
YouTubeへの異議申し立ては、誤って削除された場合に限られます(認められるとは限りません)。著作権侵害をしてしまっている場合は、2か3しかありません。
※YouTubeの規約では「フェアユースである場合を含む」とありますが、日本では一定条件下では著作権侵害とならないフェアユースは適用されていません。
2.期限が切れるまで90日待つ
前回の違反警告から90日経つと、違反警告は解除されます。
つまり、1回目の違反警告から90日、もしくは2回目の違反警告から90日経つと警告は解除されるということです。3回目の違反警告時は猶予期間が7日間なので、この方法は選択できません。
なお、解除後にまた著作権侵害してしまった場合は、事前警告なしに1回目の違反警告となります。
3.著作権侵害を申し立てた人に撤回を依頼する
著作権侵害の申し立てをした人が連絡先を公開している場合は、撤回を依頼することができます(応じてもらえるとは限りません)。3回目の警告が異議申し立て対象でない場合は、この方法しか解除の可能性はありません。
※YouTubeの公式サイトでは、期限が切れまで待つ・撤回の依頼・異議申し立ての順で説明してあります。
https://support.google.com/youtube/answer/2814000
ライブ配信の著作権侵害の場合
ライブ配信が著作権侵害により削除された場合は、90日間はライブ配信にアクセスできなくなります。
著作権者からの削除要求や使用料請求等
YouTube内でのペナルティは法的なものではなく、組織内での自浄機能のようなものです。当然、YouTube外の著作権者から直接、著作権侵害により訴えられることもあります。
民事では利用行為の差し止めや動画の削除要求、損害賠償の請求等の対象となりますし、最悪の場合、刑事事件として罰金刑や懲役刑などの刑事罰が科される可能性もあります。
過去には海外の人気YouTuberが1曲あたり1,500万円を請求されたこともあるので、しっかりと気をつけておきたいものです。
音楽・BGMを選ぶ時のチェックリスト!
著作権の話をメインにご説明してきましたが、規約違反せずに楽曲を使うために確認すべきことは以下の3つです!
・著作権
・使用ライセンス&利用規約
・商用利用が可能か
この3つはペナルティが科されるかどうかに関わる重要な要素なのでしっかりと確認していきましょう。
著作権の確認
当たり前ですが、まずは著作権の確認を行いましょう!
著作権フリーでない場合は著作権が誰(もしくはどの会社)に帰属しているかを確かめ、その上でクリエイティブ・コモンズのコンテンツであるかどうかや著作権使用料の有無かを確認します。
もし使いたい楽曲の著作権の状態が不明な場合は確認を取るか、使用を諦めましょう。
【参考】クリエイティブ・コモンズとは?
クリエイティブ・コモンズ(英: Creative Commons、略称: CC)とは、著作物の適正な再利用の促進を目的として、著作者がみずからの著作物の再利用を許可するという意思表示を手軽に行えるようにするための様々なレベルのライセンスを策定し普及を図る国際的プロジェクト及びその運営主体である国際的非営利団体の名称である。
引用元:Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BA)
使用ライセンス&利用規約の確認
楽曲のダウンロードを行えるサイトには大抵、使用可能な範囲などを定めた使用ライセンスや利用規約があります。
違反すると著作権違反同様にペナルティが科せられるので、隅々まで目を通しておくようにしましょう!
また意外と見落としがちなのが、クレジットの表記の要否です。
クレジットの表記が必要な場合は、動画の概要欄にしっかりと書き込むのを忘れずに!
商用利用が可能かの確認
また商用利用についても、しっかりとチェックしましょう。
素材の中には個人的利用の範疇ではフリー素材になっていても、商用利用ではフリー素材ではない場合もあります。
※商用利用というのは法人サイトという意味ではなく、収益を得ているサイトという意味です。
楽曲ではありませんが、YouTube動画にもよく使われている「いらすとや」も、「商用利用の場合は1つの制作物につき20点まで」という無料範囲の規約があるんですよ。
収益化しているYouTubeチャンネルは、動画を構成する全ての要素(映像・音楽・サムネイルなど)が商用利用に必要な条件を満たしている必要があります。
収益化を見越している場合は、最初から商用利用が可能な素材のみで動画を作るよう徹底しましょう!
以上の「著作権・使用ライセンス&利用規約・商用利用の可能の有無」の3つを十分に確認していれば、収益化したあとも安心です。
あとは自分の作る動画の雰囲気に合わせて、音楽・BGMを選定していきましょう!
オススメの音楽・BGMのダウンロード先は?
ここからは先ほど紹介した音楽・BGMを選ぶ時のチェックリストを満たしたオススメのダウンロードのサイトを無料・有料に分けてご紹介していきます。
ぜひ、この中から気に入った音楽やBGMを見つけてください!
無料で使えるダウンロードサイト
YouTubeオーディオライブラリー
YouTubeオーディオライブラリーはYouTubeにより公式に運営されている音楽・効果音をまとめられたダウンロードサイトです。
大量の音楽・BGMが公開されていて、ジャンルや気分、楽器、長さ、帰属表記でソート検索ができるのでとても簡単にお目当ての楽曲を探せます。
またYouTubeが直接、公開しているので安心感もありますね。
基本的にクレジットの表記は必要ではありませんが、ダウンロードの横に丸い人のマークが付いているものはクレジット表記が必要になるのでご注意を!
DOVA-SYNDROME
DOVA-SYNDROME は2020年1月時点で、フリーBGM(音楽素材)10,080曲+フリーSE(効果音素材)1,138音 を全て無料でダウンロードができる有名サイトです。
用途や商用、加工の有無を問わず、誰でも無料で利用でき、クレジットの表記がいらないにもかかわらず、楽曲のクオリティはかなり高いです。
ループ処理の用意されている楽曲があるので長時間の動画のBGMにも簡単に利用できるのがとても便利です。
有料で使えるダウンロードサイト
Artlist
Artlistは月額$16.60で無制限に楽曲がダウンロードできるイスラエル発のサブスクリプション型のサービスです。
特徴としては世界中のインディーズアーティストが音楽を提供しており、そのため他にはない独特な楽曲が多く存在しています!
他人と被りたくない方は一度チェックをしてみてはいかがでしょうか?
2ヶ月の無料体験期間あり
250music
250music(ニーゴーマル ミュージック)は名前通り、一曲あたり250円という低価格から楽曲の購入が行える買い切り型のサービスになります。
特徴としては低価格にもかかわらず、日本を代表する歌手の方々にも楽曲を提供しているアーティストから楽曲が提供されている点があげられます!
山下達郎BANDの伊藤広規、井上陽水、宇多田ヒカル、福山雅治など数多くのアーティストのツアー及びレコーディングに参加している今剛、元BOWWOW/WILDFLAGの山本恭司、浜田麻里などの数々の作品に参加する大槻啓之など、日本を代表するアーティストです。
引用元:250music (https://www.250music.jp/artist/)
日本のアーティストに力を入れているだけあって、どの楽曲もクオリティが高く、また日本人好みな楽曲が多くあるのでオススメです!
買い切り型のため無料体験期間なし
まとめ
今回はYouTubeで使う音楽にまつわる著作権の基礎知識と破った際のペナルティについて解説しました。
著作権関係は難しいことも多いですが、あなたの制作する動画の権利を守るためのルールでもあります。
学んだことを参考にして、YouTubeにオリジナルの動画をどんどん上げていってください!